やっと桜が見ごろになりました。
気温もかなり上がるようになり、昼間は暑いくらいですね。
さて、以前にヤンマー空冷ディーゼルエンジンの整備記事を書きましたが、意外に多くの方に見ていただいているようで、正直びっくりしております。
今後も「機械整備の記録」として記事を書きますので、よろしくお願いします。
ほんの少しでも誰かのお役に立てれば幸いです。
今回の患者さんの紹介です。↓
カタクラ SD350型一輪管理機 スーパーカルチ
もう一台三菱のMSD350という見た目そっくりなものも所有しています。
どちらかのメーカーがOEMとして販売しているのでしょう。
タイトルにも入れましたが「クラッチを入れても動かない」という症状です。
もっと正確にいうと、「車輪だけ」又は「ロータリーだけ」なら動きます。
耕うん作業のように車輪とロータリーを同時に動かすことができません。
つまり、高負荷になると動かなくなるということです。
故障箇所はいったいどこなのか?
結論から書きますと、今回はVベルトが原因でした。
下の画像はロータリーと走行のギアを入れ、クラッチを入れた状態です。
見ていただければ分かると思いますが、エンジン側のプーリーは回っていますが、その回転がミッション側に伝わっていません。
エンジン側のプーリーをよく見てみると、ベルトとの間に段差ができています。
擦り減ってしまったのでしょうか。
ロータリーと車輪の回転は確認できたので、ミッションの異常はないと判断。
ベルト交換してみましょう!
もともとついていたのはバンドー化学製の「BANDO RED-S SB29」というもの。
調べてみると、REDシリーズは耐久性に優れたもののようです。
1本約1300円と、ちょっとお高め。見た目がなんか強そう。
そして購入したのは三ツ星ベルト製の「スタンダード B29」です。
1本約800円とお安いのと、使用頻度が低い機械であることからこれを選択。
今回はモノタロウの個人向けサイトから購入しました。
並べてみると減り具合がよくわかりますね。
取り付けてみました。
エンジン側のプーリー部分を比較してみると、違いがよく分かりますね。
続いて、上下についている金具を調整してクラッチ切時に回転が止まるようにします。
ついでに、燃料コックからの燃料漏れも修理しました。
パッキンを新しく作り、装着しました。(耐油ゴムシートを使いました)
この後、畑で実際に耕うん作業を行いましたが問題なくできました!
ベルト交換という簡単な作業で修理できたのでとても良かったです。
これは修理依頼を受けたものなので、エンジンオイルの交換とキャブレター掃除も行っておきました。
同じような症状の機械をお持ちの方、簡単な作業で修理できるかもしれません。
ぜひ、修理にチャレンジしてみてください!
※作業は安全に注意したうえで、自己責任で行ってください。